新・駅長日誌

順序が些か前後しましたが、浜坂駅の次が居組駅の駅ノートです。

国道を走ってきて駅へ入る脇道の所に交番があったのですが、置いて
あるパトカーが姫路ナンバーで兵庫県警。ココがギリギリ兵庫県だった
という事に驚きましたクラ駅長です。



居組駅も古い木造の駅舎が残る駅です。オモテの看板なんかも何時から
あるのか分からんぐらいですが、敢えてソレを残してあるんですね。



現在は無人駅ですが、広く取った待合室と窓口の痕跡が残る壁からして
元は有人駅だった事が伺えます。

上屋の梁やラッチも木造のモノが残っており、カナリの歴史があると
見受けられました。…ラッチは真ん中にもぅ１本あったみたいですが、
恐らくは車椅子が通れる幅にすべく外してしまったんでしょう。



…こうなると今時のラインカラーつきの駅名標が浮いて見えますが、
ホームに出てみます。
またしても「ザ・山陰本線！」という感じの無駄に長い有効長でした。
奥に見えるトンネルを越えると鳥取県という事になるのかな。



ココで柱に取り付けられた財産管理標でタネ明かしをすると、居組駅の
駅舎は何と明治44年の建築なんですよ。

…北条鉄道に幾つかある大正時代の駅舎より当然に古いワケですが、
何故か文化財登録の指定は受けていません。ソノ辺の違いは謎です。

という事で老朽化した建物を維持するのにも予算が掛かるらしく、
間もなく新しい駅舎に建て替えられる事が決まってるそうなんです。

…しかしまぁ何とも味気のナイ。私の困惑した気持ちを、たまたま隣に
あった津川雅彦さんのポスターで表現してみました。



駅ノートは窓口跡のカウンターにあり、バックナンバーも複数。
地元の方が比較的マメに管理されてるようでした。

過去作品は関西の絵師さんを中心に多数ありました。
…兵庫県っても広いから、神戸や明石辺りとは対極にある距離ですが
やはり人気が高いようです。

そして私のは「居組」と聞いて江戸などの町火消しを思い出したので
こんな感じに。…思い付いた後で調べたら「ゐ」の元の字は「居」でなく
「為」なんだそうですが、まぁイイや。

纏の形は、ネットで見つけた江戸時代のかるたを参考に実際の「ゐ組」
のモノを再現してあります。
先述の通り、初日は下描きまでで色塗りは翌日に回しました。

当時の火事の対処法としては、水をかけて消火するより建物を壊して
類焼を防ぐ事の方が多かったようなので、これから駅が解体されると
聞いてししゃり出て来た模様です。

…駅が新しくなると駅ノートはどぅなるのか？業界では行く末が懸念
されていますが、駅舎そのものも文化財級の貴重品なので、何とか
残す方法はナイものか？今後の展開が注目される所ですね。

※→次回に続く

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