新・駅長日誌

…そして大垣駅と言えば、駅の入場券というモノが出来るキッカケと
なった出来事が、 大垣駅で起こったという事も思い出してしまいました。

明治時代の事だったと思いますが、東京へ帰る上司を見送りに来た
あるお役人の一行が「駅長に申し出て許可を得る」という当時の規則
を無視して改札を通ろうとした。

当然その場で駅員と押し問答になり、激怒した駅長が最後まで払わな
かった一人を無賃乗車の現行犯だとして警察に突き出したんだそうな。

ソレ以後「双方ともあまりに両極端だ」という事で、安価（初乗り運賃程度）
で駅構内に入れる、現在の入場券の制度が出来たんだそうですよ。

…私はソレぐらいの気骨を持って規則を守る姿勢の方に共感出来る
タイプのクラ駅長です。

さて軽便鉄道博物館です。周知のごとく軽便鉄道ってのは一般的に、
日本の標準の軌道であった1067㎜のレール幅より狭く、車両の規格など
も１回り小さい、ホントに「軽便な」鉄道だという事になりますね。



建設時に補助金が出るだか何だかで、普通鉄道より簡単に敷設出来た
ので、明治～昭和初期にかけて全国で大量に建設されました。



…車両が乗ってるのが日本の軽便鉄道の一般的なサイズだった762mm
幅の線路です。で周囲を走るミニ列車の線路は、ソノ半分の381mm。

イギリスでは実際の鉄道としても使われてるサイズで「本物（模型など
を除く）の世界最小ゲージ」なんだそうです。

転車台は元々は機関車による運転だった頃に使われてた本物だとか。



ミニ列車のレールや枕木は、過去に北勢線で使われていた本物です。
北勢線は三岐鉄道に移管した時に、線路全体をもう少し大きめのレール
に取り換えました。

で余った古いやつを貰って来て、ボランティア会員の皆さんが手造りで
敷設したんだそうです。…スゴい技術ですね。

ただ分岐器だけは難しく、一般的なやつは作れなかったので、モノレール
などによくある本線自体が角度を変えるタイプになったそうです。


そんなミニ列車も、会員の皆さんの
手造りだそうで、デザインの違いのが
複数の編成あります。

お天気のイイ日はのべつ運転してる
そうですが、今日は流石に少なめ？

私が覗いてるとスタッフの方が「乗り
ますか？」と声を掛けて下さいました。
折角だから体験してみましょう。

まずお話を聞くに、動力はバスのワイパーに使われてたモーターを
流用したモノ。ブレーキは自転車用のパッドを使ったディスク式なんだ
そうで、車体の横揺れを吸収するヨーダンパ（に当たるモノ）も装備
してるそうな。なかなか本格的と言うか、皆さん器用すぎませんか？



…運転席も本物っぽく造形されています。ブレーキ弁は水道管の部品
だそうですが、そうとは見えませんよね。

で電源が右の感じ。自動車用のバッテリーをフル充電したら、コレで
丸一日走れるのだそうです。

ではこのミニ列車で、雨の中を乗り鉄に出掛ける事にしましょう。

※→次回に続く

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